
『この鏡は呪われた鏡、怨霊鏡だ!』
以前、単なる歩道を『異世界に通じるトンネルだ!』と言い張った「人喰いトンネル」という作品を御紹介しましたが、同じ監督が再び言い張りました。
「オキュラス/怨霊鏡」
(2013年/マイク・フラナガン監督)
過去400年の間に少なくとも45件の不審死に係った呪いの鏡。
最後の被害は10年前。両親と姉弟の4人家族。まず母が狂い、父が狂い、狂った父は母を殺し、父は幼い息子に殺された。
姉がいくら「鏡のせい」と言っても信じる大人などいるはずもなく、弟は病院送り。
弟が入院していた10年間、姉はひたすら鏡について調べ、足跡を追い、遂に競売にかけられた鏡に邂逅。修理の名目で鏡をかつての自宅(そりゃ買い手はつかんよなあ)に持ち込み、ある実験を。
あの惨劇の原因が鏡にあることを実証できれば、父と弟の無実を証明する事ができる。
病院を退院した弟を出迎え、姉弟は再びあの鏡の前に…。

ゴアは無し。ポルターガイスト現象のような派手派手シーンも無し。「悪魔の棲む家」ほど投げっ放しではないですが、「ヘルハウス」ほどのカタルシスもありません。
ただ、中盤の見せ方は上手。
過去の惨劇をフラッシュバックさせつつ、現在の様子を映しているのですが、鏡が見せる幻覚も織り交ぜるトリッキーな編集。

金と時間の無さをアイデアと編集テクニックで補ったのは称賛に値しますが、とにかく地味(完成後2年近く塩漬け)。
バジェットが天と地ほども違うと思いますが、本作に比べたら、アレクサンドル・アジャ監督、キーファー・サザーランド主演の「ミラーズ」(2008年)の方が、ゴア、オチ含めて数段上手な感じがします。
★ご参考