
『怪獣と戦うのは自衛隊の伝統だけどよお!』

メインヒロイン総登場、怪獣バトルにGATE内外の政治的策謀。出し惜しみの無さとバランスの良さ。かなり“いい感じ”になってきました。
炎龍に焼き払われたエルフの森。たったひとり生き残った少女。
炎龍の襲来を恐れて故郷を捨て、当ての無い旅に出る村人。その中に魔法少女。

この辺りの流れ(怪我人や老人、身寄り無き者を見捨てる村長と、その事実を受け止め、彼女らを引き取る伊丹)に、正義とか熱血という因子が全く入っていない(ひとりよがりの傲慢さが無い)のが良い。
一見スチャラカですが、伊丹という人、実に有能な指揮官なのでは。

「二尉(兄ぃに聞こえる)ならそう仰ると思っていました」
ベースの様子は、彼女ら(特に魔法少女レレイ・ラ・レレーナ)の視点で“異文化”として捉えられます。

「門の向こうには私たちの知らない世界がある」
一方の人間界では、相変わらず居丈高に糾弾することしか知らないマスコミが騒ぎ、

「特地での戦闘被害者の数を明確にして頂きたい!」
何とかGATEを我が物にしようとする隣国が暗躍し、

「永田町は知りたがっている。特地は世界の半分を敵に回すだけの価値があるのか」

「姫、ワシら連合諸王国軍の敵は背後にあった。帝国こそが我らの敵だったのだ!」
様々な視点の錯綜がお話のスケールを大きくしています。