デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

シャイニング・リスペクト? デッドorキル

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ゲームに参加すれば大金が! 甘い言葉に乗せられてやってきた人生崖っぷちの男8人がエライ目に遭う…。
 
シチュエーション的には「13/ザメッティ」「13の選択」、邦画だと『カイジ』あたりと同じ箱になりますが、エンターテイメント性という意味では残念ながら…。
 

「デッドorキル」

2012年/デヴィッド・ガイ・レヴィ監督)

 
難病の弟を抱えて就職もままならず、なアイリス(ブリタリー・スノウ)は、弟の主治医からある人物を紹介されます。
 
聞いたことの無い財団の代表。晩餐会に出席してあるゲームに参加し、勝ち残れば弟の治療を支援してあげよう。勿論、ドナーも見つけてあげよう。
 
迷った挙句、晩餐会に参加したアイリス。会場には訳あり風な男女が。

 

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『ザメッティ』の場合は何をするのか(させられるのか)、を参加者が理解していましたが、こちらは全員無手勝流。
 
となると、お題として出されるゲームの面白さ(意外性)が、作品の面白さに直結するわけですが、これがまあ地味
 
単純な2択(要するに誰を助けて誰を見捨てるか)を繰り返していくだけなので、今一つ盛り上がりません。
 
選択した瞬間に答えが出てしまうので、ゲームの展開(攻防)を楽しむという要素がないのです。

 

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主催者がジェフリー・コムズというのが人選的にはマニアック…かも(いいおっさんになったなあ、この人も)。
 
何のためにこんな事をしているかというと、完全に主催者の趣味嗜好。ネットで中継して皆で楽しんでいるわけでも、ブックメーカーとしてオッズをつけているわけでもありません。
 
13の選択』のスケールのデカさに比べるとほとんど四畳半サスペンス。

 

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アイリスに話を持ちかけた主治医(黒人)が、助けに来る様子を何度もカットバックして、着いた瞬間…という一連のシークエンスは「シャイニング」リスペクトなんでしょうねえ。
 
カミソリで眼を裂くという「アンダルシアの犬」なカットもきちんと映さず腰砕け(直接描写でなくとももうちょっと撮りようがあったでしょうに)。
 
せめてゴアに特化していれば、(評価とは別次元で)印象に残る(観た後に嫌ぁな気持ちになる)作品になったと思うのですが…。

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