デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

もしやインスマウスの方では? キンドレッド

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『今すぐ私の研究資料をすべて燃やして!』

心臓発作で意識不明だった科学者の母親が覚醒。一報を受けた息子が病院に駆けつけると、母が真顔で懇願してきた。

『日記を燃やして。あの子はまだ生きてる!

『あの子って?』

アンソニーよ!

『アンソニーって誰?』

『あなたの弟よ!』

母は一体なんの研究をしていたんだ?

「キンドレッド」1986年/ジェフリー・オブロウ&スティーヴン・カーペンター監督)

ビデオには“戦慄の異形生命体”という激安なサブタイがついています。

確かに「キンドレッド」だけではジャンルの特定もできないので、こういう分かりやすい副題はありがたいです。

86年という時代は先達の作品がほぼ出尽くした頃。

「エンブリヨ(1976)」「ドクター・モローの島(1977)」「エイリアン(1979)」「死霊のはらわた(1981)」「遊星からの物体X(1982)」 「ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり」(1985)

そして本作と同年に「ザ・フライ」「フロム・ビヨンド」。

終盤はモンスターものになりますが、前半~中盤は「母の研究は何だったのか?」「アンソニーとは何者か(本当にいるのか)?」というミステリー仕立て。

 

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特撮もかなり力が入っており、生前、母と交友があったと言って近づいてきた謎の美女(アマンダ・ペイズ)の正体が割れるところとか、

『ええっと、インスマウス出身の方ですか?』

 

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アンソニーの造形も含め、ラブクラフトの影響大。

テンポも良く、緊張感もほどよく持続。拾い物以上の佳作だと思います。

 
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