デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

筒井的不条理。 神さまの言うとおり

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「死にかた」という筒井康隆の短編小説があります。
 
ある日、会社にが現れ、社員を次々に棍棒で屠っていく、という不条理もの。
 
ある者は鬼を説得しようとし、ある者は色仕掛けで籠絡しようとしますが、結局はぐしゃりぐしゃりと頭を潰されていきす。
 
最後に残った主人公が初めて“命乞い”をし、鬼も感心したようなそぶりを見せますが、「でも、やっぱり殺すのだ」棍棒を振り下ろして幕。
 
全滅エンド(笑)です。本編を観て、ふとこの小説を思い出しました。
 
神さまの言うとおり2014年/三池崇史監督)
 
とある高校の授業中。突然教師の頭が弾け飛んで、そこからダルマが登場。パニクる生徒を尻目に「だ~る~ま~さんが~転~んだ!」
 
動いた人間は頭ボーン! チュートリアル無しで即死ゲーム開幕。


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血の代わりに流れ出るのは赤いビー玉
 
比べるのもどうかと思いますが、鈴木清順陽炎座で使っていた鬼灯=死んだ女の魂)を思い起こします。


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事前にダルマのビジュアルしか観ていなかったので、てっきりこのシーンがクライマックスなのかと思ったら前座でした。
 
生き残った者には次々と新しい試練が…。


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バトルロワイアル』×『CUBE』って感じです。
 
不条理劇なので、誰が、何のために、とかは言わない約束。『CUBE』だってそんなネタバラシ的な事は(少なくとも1作目では)言っていませんし、中途半端に理の通ったオチなんか聞いたらかえって興醒めでしょ。
 
ただ、引きこもりの人(大森南朋)は何しに出てきたんだろうなぁとは思いましたが(続編の前振りなんか?)。
 
役者の中では天谷武役の神木隆之介が良い感じでした。主役の福士蒼汰は台詞回しはいいとして、肉体言語としての表現が今ひとつふたつみっつ。


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三池ビッグバジェットにアタリ無しと何度も言ってきましたが、本作は比較的真っ当な方ではないでしょうか(好き嫌いははっきり分かれるでしょうが、それは“つまらない”とは別概念)。
 
こういう人の神経逆撫でするお話撮らせると本当に三池さんは巧いなあ…。

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