『目を覚ましたまえ。君は逝くには早すぎる。
生きて、生きて、生きる事こそが、君たち幼いものたちの使命だ。
絶対に死んではいけない。
もし、君が逝ったら、君の姉さんは独りになってしまうじゃないか。
どうか、姉さんのためにも目を覚ましてくれ。
あの子を独りにしないでやってくれ!』
骨に執着し、拾った骨を材料に骨格標本を作るのが趣味(兼仕事)である“骨愛でる姫”九条櫻子。
初回(第壱骨)を観た限りでは、興味の対象はかつて生を纏っていた者のみかと思いましたが、そんなことはなかったようです。
「櫻子さんの足下には死体が埋まっている/第弐骨・あなたのおうちはどこですか」(2015年10月14日TOKYO MX放送/別所誠人演出)
とある夏の夜、櫻子の助手(のような存在の高校生)・館脇正太郎がコンビニ(セイコーマート!)で保護した幼女いいちゃん。
裸足。背負ったリュックには成人女性のものと思しき血の手形。
本名も住所の手掛かりも無し。万策尽き果てた正太郎はおまわりさんと一緒に櫻子の元へ。
櫻子はいいちゃんの左腕の僅かな湾曲から剥離骨折を指摘して虐待の可能性を示唆。近所の病院を当たった所、カルテは発見したものの、名前は偽名、住所も虚偽。
振り出しに戻った所で、正太郎の同級生・鴻上百合子(巨乳)がいいちゃんと顔見知りである事が発覚。一気に自宅にたどり着きましたが、そこには…。
『これと同じ臭いを僕は知っている。これは…この臭いは…“死”の臭いだ』
台所で切腹した武士のような体勢で事切れている女性。いいちゃんの母親。櫻子さんの直感が囁く。この死体は何か変だ、と。
現場確保も鑑識到着も知った事かとばかりに、死体検分を始める櫻子さん。ゴム手袋の装着と共に挿入される魔法少女の変身シークエンスのようなイメージショット(バンクですが)が物凄~く浮いていて面白いです。
今回は最初と最後で登場人物の印象が変わっていく手の込んだ構成でした。
骨にしか興味がなく子供なんか嫌いなのかと思われた櫻子さんが実は…。
娘に虐待をしていたのではないかと思われた母親が実は…。
無能と思われた若手巡査が根性を見せ、暴力には無縁と思われた正太郎が…。
櫻子さんの『姉さんを独りにしないでくれ』という叫びは、そのまま櫻子さんのトラウマに直結していたようです。
犯人である薬物中毒者が言っていた謎の言葉『蝶々を取りに来た』の“蝶々”と言うのは、第壱骨で櫻子さんが解説していた“蝶形骨”の事ではないでしょうか。
いずれ単独と思われた事件が一本に収斂されていく「ケイゾク」チックな展開になりそうで、楽しみです。
舞台が北海道(旭川)という事で激押しされているセイコーマートについても熱く語ろうと思いましたが、長くなりそうなのでまたの機会に。