
10月27日。肺炎。79歳。
世間的には「スターウォーズ」であり「平成ゴジラシリーズ」ですが、私にとっては平井和正の表紙の人。
小学4年時に読んだアダルトウルフガイシリーズ1作目「狼男だよ」が全ての始まり。
カバー、口絵、挿絵を一手に引き受けた生頼氏の仕事は“大人世界のエントランス”。

ハヤカワ文庫は大人の階段でした。
児童文学には絶対出てこない“セックスと暴力”のビジュアル補完は、大人文学の誉れを上塗りしておりました。

角川文庫も負けてない。平井&小松のツートップを生頼がアシスト。
映画ポスターで1本挙げるなら「テンタクルズ」でしょう。完全に本編を凌駕しています(笑)。
そして忘れてならないのが、「宇宙船地球号」(レイジー)のアルバム・ジャケット。

元々ハードロック志向のグループだったにも関わらず、ミッシェルだのスージーだのポッキーだのと訳の分からないニックネームを付けられた挙句、「赤頭巾ちゃん御用心」のようなアイドルポップを演らされる羽目になったレイジーが、本当にやりたい音楽を叩きつけた会心の(そして最期の)アルバム。
“♪ 今欲しいものは 夢だけ 冷めた世界はまっぴらごめん
Rock’n Rollを感じる それだけ 全てを賭ければDREAMER!”
(A面1曲目「DREAMER」より)
生頼氏のイラストはこの門出を飾るに相応しい祝砲でした。
映画、小説、音楽…多くの(こっち寄りの)ジャンルでお世話になりました。
ご冥福をお祈りいたします。