徘徊系ホラー(ボケ爺の恐怖ではない)というジャンル(あるのか、んなもん)では、「原子人間」「溶解人間」と並ぶ代表作(ってか他の作品、思いつかない)。
お好きな方は大好きなカルトの逸品、まさかの初DVD化。
「宇宙からのツタンカーメン/タイム・ウォーカー時空の聖櫃」
(1982年/トム・ケネディ監督)
日本未公開ビデオスルー。VHSのタイトルは「宇宙からのツタンカーメン」。テレビ朝日放送時は「宇宙から来たツタンカーメン/消えたミイラ!全裸美女に迫る古代エジプトの魔神」、テレビ東京放送時は「タイム・ウォーカー/時空の聖櫃」。
“宇宙から来た~”の印象が強いので、出来ればこの名称を踏襲して欲しかったですね。
ツタンカーメンの墓から発見された謎の棺。そこに眠るミイラの正体は…ってタイトルでネタバレしとるやないか!
いや、それ以前にこのミイラはツタンカーメンじゃないんだから「宇宙から来たツタンカーメン」というタイトルがそもそも間違っているだろう。
冒頭、宇宙、土星、エジプトの「写真」(資料映像ですらない)を並べてスケール感を…出せてない。せめてエジプトの絵くらい動画にしろよ。借り物でいいからさ。
発見された棺はアメリカのとある大学へ。学生は見事に馬鹿ばっか。馬鹿1号がうっかりX線大量照射してミイラ復活。
更に古代エジプトにはなかった電気と言うエネルギーを得たミイラ君は馬鹿1号に奪われた通信機パーツ(パッと見、ダイヤのような宝石に見える)を求めて夜の街を徘徊。
もっとすっとこどっこいな内容なのかと思ったら、割とマトモな作りでびっくり。
黒人の医者と白人の警部はよく見りゃ「要塞警察」のビショップとナポレオンだし。
語り継がれているラストの展開は、見事な投げっぱなしジャーマンで、「ちょっと待て、そりゃ一体どーゆーオチだ? ってかTo BeContinuedって何だよ?!」とちゃぶ台を返して戻して。
これと似たような脱力感、前にも味わったような…あ、「ミッション・トゥ・マーズ」だ。