ハーレムの要件とは何でしょう。魅力的な女子たち?
勿論、ツルペタから巨乳、幼女から年上、ツンデレから熱烈アタック派まで、タイプ別女子は形としての与件。
しかし、最も大切なのは男から見ても「そりゃ惚れちまうよなぁ」と思える説得力ある主人公の存在。
その発露は普段どんなにバカでスケベで朴念仁だとしても、ここ一番という場面では一瞬の迷いもなく身体を張れる義侠心。
「ヘタしたら心をバラバラに引き裂かれるよ。そこまでする義理はあるの?」
「九条先輩は、前に美柑を助けてくれたんだ。オレにはそれだけで十分、命を張る理由になる!」
「To LOVEる -とらぶる‐ダークネス2nd/第8話・Danger~危・剣~」より。
「ミサカは必要な機材と薬品があれば、ボタンひとつで自動生産できるんです。作り物の身体に借り物の心。単価にして18万円。在庫にして9,968体も余りある…そんなもののためにあなたは…」
『関係ねえ。作り物の身体だの、借り物の心だの、そんな小っせえ事情はどうでもいい。俺は、世界にひとりしかいないお前を助けるために、ここに立ってんだよ』
「とある科学の超電磁砲S/第15話・最弱(かみじょうとうま)」より。
で、本題。この男には惚れねえなあ…。
「この中に一人、妹がいる![北米版BD-BOX]」
(2012年7-9月放送/名和宗則監督)
世界的大企業・帝野グループの御曹司・帝野将悟。父・熊五郎が遺言で残したグループ継承の条件はふたつ。
ひとつは能力面での特訓。もうひとつは高校在学中に生涯の伴侶を見つけて結婚すること。
しかし、彼の前に血の繋がった妹(熊五郎の隠し子)が正体を隠して急接近。正に即死トラップ。ロシアン・ルーレット寿司状態。
この“妹と契ってはならない”という倫理観が足枷になって、結局、どの女性ともなかなか進展しないというイラ立ちが募る展開に。
金持ちという以外、大した特徴も無く、男を魅せる場面もないので、一体どこでフラグが立ったのか(何故こいつに惚れたのか)がさっぱり。
幼少期に受けた頭部の怪我によって部分的に失われたという記憶という設定も伏線として機能せず(当然、回収もされず)投げっ放し。
女性キャラは(いささかステレオタイプとは言え)皆魅力的だっただけに残念。
因みに「この男には惚れんなぁ」ベスト(ワースト?)3は本作の帝野将悟、「あの夏で待ってる」の霧島海人、「あそびにいくヨ!」の嘉和騎央(嗚呼、後者2名はどっちも自主映画製作者だ。ほとんど近親憎悪だな)。
「この中に一人、妹がいる![北米版BD-BOX]」は、BD2枚に全12話+OVA1話を収録して5,000円前後。
国コードはありますが、英語字幕は消去可。珍しいことに日本人キャストによるコメンタリーもそのまま移植されており、仕様は良心的です。