この脚本を書くのに2年掛かった…だと?
最初の1行書いてから23ヶ月くらい気絶していたのか。もしくは書き始めた瞬間、宇宙人にアブダクトされて23ヵ月後に解放されたのか。
一体どこから突っ込めばいいのか。途方に暮れるとはこのことです。
「キカイダー REBOOT」(2014年/山下天監督)
一応、設定だけ流しておきますと…
人間にはちとハードルの高い作業(原発の事故処理とか)をロボットにやらせましょうプロジェクトを政府が推進。チーフは光明寺博士でサブが神埼教授(鶴見辰吾)。
政府側責任者が国防大臣なので当然軍事利用大前提(当たり前だ)。
この事に気づいた光明寺博士は事故死。
で、光明寺事故死から1年後(?!)、マサルと姉ミツコの住むマンションの窓を景気良くぶち破って拉致部隊突入。
うおぉい、待て待て待て。SWATの敵アジト急襲じゃないんだから、そんな派手な登場の仕方しなくてもいいだろ。仮にも極秘任務なんじゃないのか。
こっそり誘拐するなり、事情を説明して金で解決するなり穏便な方法はいくらでもあるだろ。
なんて描写を皮切りに、小さく「スイッチオン」と呟いて変身するジロー、サイドカーは勿論バイクにも乗らず路線バスで移動するジロー、アコギではなくエレキを担ぎ、アンプもスピーカーも無しで演奏してしまうジローが大活躍。
更に、ドリフ大好きと言いながら志村けんのネタ(だっふんだ!)を繰り出すジロー、ビジンダーに変身しない(見た目生身の)マリに再三ボコボコにされるジローと続き、最後は良心回路遮断して自爆技である“電磁エンド”でハカイダーと痛み分け。
途中、マサルは敵の手に落ちますが、光明寺ファイルを取り出された後、姉ミツコ共々無傷で解放。いいのか、国家公安? ってかこれならジローが二人を守る必要ないじゃん?
ハカイダーはいきなり神埼教授(フルネームはギルバート神崎。つまりプロフェッサー・ギル)の脳を移植したギル・ハカイダーとして登場。
声が鶴見辰吾なので、ギルと言うよりは鶴見ハカイダー。これはこれで良い味わい。
キカイダー、ハカイダーの造型は好みの問題なので横に置いときますが、許せないのはハカイダーショットのデザイン。なんですか、あれは。
こういう銃器描写に拘りが無い(愛着が感じられない)のは駄目ですね。一発不合格。
国防大臣も光明寺も神埼も尤もらしい事言っていますが、筋が全く通っていません。少しは話の整合性とか考えろよ。
全体的な感想としては、とにかくキカイダーが弱い、カタルシスがない、登場人物の行動原理がなんじゃそりゃそりゃ(要するに脚本が駄目駄目)。
再REBOOT…はしなくていいです。
苦悩するハカイダーが観たければTV版を、かっちょいいハカイダーが観たければ「劇場版 人造人間ハカイダー」をご覧ください。