順番が逆になってしまいましたが、9月18日にご紹介した「パトリック 戦慄病棟」(2013)のオリジナル版を。
「パトリック」(1978年/リチャード・フランクリン監督)
お話の骨子はどっちも一緒。昏睡状態の青年パトリックが、担当看護婦キャシーを独り占めするために、サイコキネシスを使って邪魔者を次々に…。
※以下、オリジナル版を「パトリック」、リメイク版を「戦慄病棟」と呼称します。
新旧パトリック。「パトリック」はちょっとマルコム・マクダウェルっぽい。
「戦慄病棟」の時も言いましたが、志が低い。折角の超能力をそんなチャイルディッシュな理由で使うなんて。
監督はヒッチコキアンとして有名(83年には「サイコ2」を演出)ですが、同じ年にヒッチコキアン最右翼のデパルマが撮った「フューリー」が公開されています。
派手ならいいってもんじゃないですが、好き嫌いで言えば「フューリー」の圧勝。
「戦慄病棟」との違いは病院のロケーション。路面電車が目の前に停まる街中にあるので、“隔絶された精神病院”としての存在感はありません。
新旧キャシー。「パトリック」の方が肉感的で好み。
「パトリック」の音楽は、この翌年に「マッドマックス」を手掛けるブライアン・メイが担当。勢いのあるシンフォニックなスコアを提供しています(豪オリジナル版)。
因みにイタリア公開版の音楽はゴブリン。イタリア版フィルムは発見不能な状態のようですが、DVDにはゴブリンのスコアを豪オリジナル版に当て込んだ“擬似イタリア版”の断片が映像特典として収録されています。
これはレアな特典だわい、と喜んで聞いてみましたが、正直、出来は今ひとつ。「サスペリア」の翌年、「ゾンビ」と同年とは思えないヘッポコピーなゆる~いプログレでした。
残念。