ディープ・パープル脱退組から生まれたバンドは多数あり、ソロも含めてアルバムも多岐に渡りますが、1枚選べと言われたらこれ。
「鋼鉄(はがね)のロック魂」イアン・ギラン・バンド
Clear Air Turbulence/IAN GILLAN BAND(1977)
LPサイズでないと伝わらないと思いますが、もうジャケ買いと言っていい出来の良さ。
ここに踊る邦題の帯を見たら「どんな凄ぇハードロックが詰まってるんだ」とあらぬ期待をしてしまいますが、中身はジャズでありプログレであり、フュージョンでありブラック・ミュージックでもありと何でもありの玉手箱。
しかし、これらを一言で表す言葉は…やはり“ロック”。
一周廻って元に戻るというか、聴き終って初めて「鋼鉄のロック魂」という邦題が決して的外れなものではないことに気づくという。
パープル脱退後に始めたビジネス(モーター・サイクルとホテルの多角経営)で色々あったらしい銀行への怨み辛みをぶちまけた「MONEY LENDER」などド迫力の中にも微笑ましさの残るナンバーも(よっぽど酷い目に遭ったんでしょうね)。
この曲以外はどれも深淵な歌詞で神話の世界を覗いている様。
ロックは夏のイメージがありますが、冬にぴったりのアルバム。それが「鋼鉄のロック魂」です。