(企画の経緯)
「予算ですね。大谷直子が二役演ってるでしょ。本当はもうひとり女優がいなけりゃいけない。でも予算が…」
(キャスティングについて)
「とにかく2ヶ月空いてる人」
(鎌倉という舞台について)
「(麿)赤兒さんの事務所が近くにあって…」
(桜の樹の狙い)
「日本人は桜と富士山出しときゃ…」
「あれは(原田)芳雄さんの関係でしょ」
いやあ、どこまでが冗談でどこからが本気なのか。作品に思い入れがある人が聞いたら腰が砕ける事請け合いのテキトーさ。
鼻にチューブ突っ込みながら、飄々と観客を煙に巻く好々爺。流石、理不尽の荒波に揉まれて来ただけのことはあります。
と持ち上げておいてなんですが、「ツィゴイネルワイゼン」の幽玄さは清順監督と言うよりは、脚本の田中陽造氏に因る所が大きいのでは、と思っています。
もし未見であれば、田中陽造(脚本)×田中登(監督)のW田中による日活ロマンポルノ「(秘)女郎責め地獄」をご覧ください。
間違いなく、ツィゴイネルワイゼンのプロトタイプだと思います。