“ 1973年、カリフォルニアでカルト教団による大量虐殺事件発生。
2013年、惨劇の舞台となった農場の廃墟を訪れた7人の男女。
そこに悪魔は存在した。そして新たな生贄を待ち受けていた。”
DVDジャケの煽り文句です。これだけ読むと面白そうな気がしなくもないですが…。
「悪魔はそこにいる」(2014年/ミッシェル・アルティエリ監督)
1973年、悪魔を見分けることが出来ると公言する男を教祖とするカルト教団が内紛の末に殺しあって自滅。
マンソン・ファミリーと連合赤軍の併せ技ですね。
この教団の施設跡を訪れた先住民居住区の男女7人夏物語を「もういい加減にしろよ」なPOV方式で撮ったのが本作。
曰くつきの場所に面白半分で入った若者が酷いメに遭うという、新しい発見がビタ一文見つからない「グレイヴ・エンカウンターズ」の劣化コピーです(いや「グレイヴ~」だって誉められた出来じゃないのですが…)。
73年当時の状況説明に続いて現存する唯一の記録フィルムが流れる冒頭はそれなりにいい感じ。
てっきりその方向で話が進むのかと思いきや、スケボーとドラッグに興じる現代の馬鹿者ライフにあっさりシフト。
いや別に君らのスケボー自慢に興味はないのだが…。
すったもんだの挙句、ようやく件の農場施設に辿りつきますが、部屋の壁に赤ペンキでそれっぽいことが書き殴られているだけで特にどうと言う事も無し。
あとはまあ、ひとりまたひとりと…という捻りのない展開が続きます。
手持ちのビデオは暗いわ揺れるわ繋ぎ悪いわで見難いったらありゃしません。
これならいっそ、悪魔の力を得た教祖の霊と、呪術をマスターした先住民がスーパーナチュラルに戦う「マニトウ」な話にしてしまった方が遥かに面白かったと思います。
※パクリなのに新しい、スーパーナチュラルの傑作「マニトウ」のレビューはこちらとこちら。