オリエンタル・クンフー・ブームとブラック・スプロイテーション。二つの潮流がシンクロした時代の徒花。
「黒帯ドラゴン[BLACK BELT JONES]」
(1974年/ロバート・クローズ監督)
「燃えよドラゴン」(1973)の監督と出演者が、撮り逃げだ!とばかりにやっつけたアクション活劇。
だからと言って、燃えドラ路線を期待してはいけません。
まったり、そしてファンキー。
燃えドラというよりは「チャーリーズ・エンジェル」と同じ箱(クライマックスのカー・ウォッシュ泡まみれバトルなんかもチャリエンとイメージ被りますし)。
左:チャーリーズ・エンジェルのサービスカット。右:ケリーさんの泡パンツ。
マフィアの地上げ工作の標的にされた空手道場を守るため、黒帯ジョーンズ(ジム・ケリー)が大暴れという小学生でも書けるシナリオが微笑ましい。
フィギュアスケートのアクセルとキャメルを合わせたような連続後ろ回し蹴りが流麗。
道場主のおっさん、独特な喋り方するなと思ったらスキャットマン・クローザーズじゃありませんか。髪の毛あると妙だな。
左:毛ありバージョン。右:毛なしバージョン(シャイニング)。
道場にはしっかり日の丸が。スキャットマンの掛け声も「いち!にぃ!さん!」。
何とか個性を出そうと独特の掛け声を放つケリーさん。
アクション映画史を語る上で結構重要な作品なのではないかと思うのですが、何故か国内未DVD化。
ジョン・サクソンがゲスト出演している「ビッグ・マグナム77」あたりと一緒にソフト化してもらえないでしょうか。