『消えるために生まれてくる命なんてあっていいはずがない!』
実に主人公らしい台詞ですが、「デート・ア・ライブ」のキメ台詞にしちゃ軽過ぎです。
『心を落ちつけろ。そして思い出せ。
士道は今、何をしたいのか。士道が今願っているものは何なのか。
それ以外は些末な事だ。捨て置け。
ただひとつ、心の中に願いを思い描いて剣を振れ!』
駄目駄目と言われた2期でさえ、こんな熱い台詞が飛び出していたというのに…。
(2015年/元永慶太郎監督)
街の上空に士道だけに見える透明で巨大な球体が(第12使徒レリエルか)。
ラタトスクが解析したところ、謎の球体は士道が救った精霊たちの霊波で構成されているらしい。
その霊波を精霊たちの無意識の嫉妬(士道の独占欲求)ではないかと推理した村雨解析官の提案で、士道×精霊6人の完全個別デートを実施することに。
という訳で、お話の7割以上がデート描写。なんじゃそりゃそりゃと思うかもしれませんが、ここが本作のみごろたべごろ笑いごろ。
もう全編ファン向けサービス回。劇場版にする意義があったのかと言われれば自信をもって「無い」と言い切れるスペシャルOVA作品です。
ではつまらないのかと言えば「NO」。ひとりひとり丁寧に撮られたデート描写は精霊たちの健気さが存分に発揮されてとても幸せな気持ちにしてくれます。
似たような色合いの「IS2【ワールド・パージ編】」はヒロインズの扱いバランスにムラがありましたが、こちらは全方位気配り体制。
残念だったのは、デートの対象が“封印済み精霊”に限定されているので、未封印の狂三(くるみ)と人間の鳶一折紙の出番が少なかったこと。
終盤、球体の正体とその管理人格である万由里を交えてのバトルが(申し訳程度に)描かれますが、ここで1期OP「デート・ア・ライブ」が。やはり名曲。燃えます。
さて、「IS」「そらのおとしもの」と共に3期を期待…しているのですが、どうなんでしょ(全部駄目なんじゃないかって気がしている今日この頃…)。