『窒息死には段階がある。数十秒ならほぼ無症状。30秒から1分で急性呼吸困難。1分から3分で痙攣・意識消失・昏睡。そう。ポイントは死ぬまでに時間がかかるというところだ』
流石、医師を目指していた受験生。知識の範囲は広く深い。ただ、その知識をビタ一文の躊躇もなく実践してしまうところが、これまでの主人公とは一線を画するところ。
自らの都合と価値観と論理性だけで行動規範を決定…永井圭はニュータイプです。
「亜人/第8話・衝戟に備えよ」
(2016年3月4日深夜TBS放送/鹿住朗生演出)
「亜人/第9話・待て、もう一度話し合おう」
(2016年3月11日深夜TBS放送/井出恵介演出)
国内の亜人7人を集めて“運動”を進めていこうとする佐藤。
『プランなんてそんな大層なものはないよ。できる限りのことを精一杯やるんだ』
『もっと具体的に言ってもらいてぇな』
『…大量虐殺だよ』
遂に語られた佐藤の目的。親佐藤・反佐藤双方に新キャラ投入。
佐藤の元に残ったのは足の悪いハイスペック・オタク奥山。そしてストップ佐藤を託された直情型(本来なら主人公ポジション)の中野攻(コウ)。
一方、民間人宅に身を寄せながら能力の確認と調整に励む永井圭。彼の発する黒い霧を偶然目視した中野攻は永井に接触を図り、打倒佐藤を持ちかけますが…。
『ここはようやく手に入れたセーフゾーンだ。野放しにしちゃいけないのは僕の居場所を知ったお前の方だよ。中野』
そう、永井圭は静かに暮らしたいのです。己の生活最優先。
毒キノコで一服盛って攻を行動不能にしようとしますが、攻は断崖からアイキャンフライでリセット。毒が駄目なら脳震盪、それも駄目なら窒息、と殺さずに(死ぬとリセットしてしまうので)動きをとめようとする永井。
実に主人公らしからぬ行動。最後は攻を窒息失神させた後、不法投棄されたトラックのコンテナに投棄。完全にサイコパスになっていますね。
『クソ! 何なんだあいつ! 何なんだあいつ!』
毒づく攻。そして、もうひとり、戸崎に『何なんだ、お前』と呆れられた男が。
研究所騒ぎのドサクサで厚労省・戸崎に拉致られた亜人研究の第一人者オグラ・イクヤ。戸崎は亜人の操作する黒い幽霊に関する情報を吐かせようと拷問に勤しみますが効果無し。
『何なんだお前は? 痛みに鈍いのか? 亜人にでもなったつもりか?』
『耐えられる程度なのさ。体の痛みなんてのは。俺が話す条件はたった一つ。たった一つだけだ。FKを持ってこい! 今すぐ!』
殴られ続け、指を潰されても口を割らなかったオグラですがFK(Wild Heavenになってましたね)吸った途端、
『さて、何から話そう?』
佐藤、永井、オグラ。ネジもタガも外れまくった各チーム代表者。第2幕の始まりです。