『拷問か。火責めは試したか?』
『火責め?』
『軍隊で習わなかったのか? ガス・バーナー持って来い』
イスラエルの軍事教練にはそういう実習もあるんですか?
『いい匂いだな。この匂いに飢えていた。最近は野菜中心でね。これなら一晩中やってもいいな』
焼肉喰えるんなら人肉でもOKですか、お爺ちゃん。
「オオカミは嘘をつく」(2013年/アハロン・ケシャレス&ナヴォット・パプシャド監督)
鎮静剤入りケーキで眠らされ、レイプされた挙句、手の指を折られ、足の爪を剥がされ、首を切り落とされて森の中のオブジェとなった少女。
学校で宗教学を教える温厚な教師ドロールが捜査線上に浮かび上がりますが証拠無し。
刑事ミッキは、ドロールを拉致して自白を強要…しようとしたら、殺された少女の父親ギディが更にこの二人をまとめて拉致。
ギディの目的は未だ見つかっていない娘の首のありか。郊外のアラブ人居住区に借りた家の地下で拷問タイムが始まった…。
焦点は、ドロールは本当に犯人なのか、の1点。原題は「BIG BAD WOLVES」と複数形。嘘をついているオオカミは誰だ?
音楽がピノ・ドナッジオっぽいのと、遠近感を強調した独特の構図の切り出しのせいで、初期デ・パルマ作品を観ているような気分になります。
ギディが犯人を真似て鎮静剤入りのケーキを作るシーンでバディ・ホリーの“エヴリディ”が流れるのが何か不気味(タラが本作を絶賛しているようですが、こういう選曲センスも好みなんだろうなあ)。
この監督コンビは、「狼よさらば」のリメイク(主演ブルース・ウイリス)を手掛けるようです(邦題オオカミ繋がりですね。ならばその次は「狼は天使の匂い」を是非)。