
「マーターズ」監督の現時点最新作…ではありますが、ホラー的要素は控えめ。
どちらかと言うとトリッキーなサスペンスものと言った方がいいかもしれません。
ただ、お話が予想の斜め上に次々スライドしていく辺りは“ああ、「マーターズ」の監督だなぁ”と思います。
「トールマン」(2012年/パスカル・ロジェ監督)
「ファンタズム」の背高爺さんとは何の関係もありません。念のため。
ワシントン州コールドロック。かつては炭鉱で栄えたが、炭鉱が閉鎖になってからは職なし金なし活気なし。

衰退の終着駅、コールドロック。
男はだらける、酒呑む、寝る。学校もないので子供もよく遊び学ばない。
この駄目駄目の佃煮みたいな町に追い討ち掛ける奇怪事件、それが子供の連続失踪。何の前触れも無く忽然と子供が消失。
手掛かり皆無。警察手詰まり。町の人は囁く。『トールマンの仕業だ』と。

主演は私財投入してプロデューサーにも名を連ねているジェシカ・ビール。
と、お話できるのはここまで。
トールマンは実在するのか? 超常現象なのか、リアルな犯人がいるのか? 消えた子供達はどこへ? 本当の善人は誰?
とまあ色々と表現上の罠が張り巡らされているので翻弄されてください。

本当にいるのか、トールマン。
モラル的な視点から本作を批判する人もいますが、ネタはあくまでギミックで構造上の面白さを楽しめば良いのではないかと思います。