
UMAの多くは出没エリアが限定されています。ニュージャージー州のジャージ―・デビル、ゴビ砂漠周辺のモンゴリアン・デス・ワーム、南米というやたらアバウトなフィールドで活躍するチュパカブラ。
そして、ウェストバージニア州ポイント・プレザントというピンポイントな街で頑張っているのが、
「蛾人間モスマン」(2010年/シェルドン・ウィルソン監督)
卒業記念でキャンプに来たキャサリンと仲間達。ちょいとした悪戯で仲間のひとり(の弟)を川で溺死させてしまい大パニック。
「やっべ息してねーよやっべ」「死体隠そーぜ」「川底に頭ぶつけた事にすっべ」「頭に傷ないじゃん」「今からつけりゃいーべ」
全員が共犯となるため順番に石で頭をずっこんばっこん。
おいおい何回頭ぶつけた事になるんだよ。そんな子供騙しな偽装すぐに見破られ…ることなく10年経過(嘘ぉ!)。

街を出て新聞記者となったキャサリンですが、地元のお祭り“モスマン・フェスティバル”取材のため、10年ぶりの里帰り。
で、まあ、脛に傷持つ奴らが集まったところで、ひとりまたひとりと血祭りに…。犯人は勿論モスマン。どうもモスマンくんは、法の網を逃れた犯罪者に制裁を加える必殺仕置人のようです。
ここでモスマンから逃げ切ったと豪語する爺さん登場。彼は言う。
『奴は殺すとき必ず相手と目を合わす。だからワシは目が合わないように自分で両目を潰したんじゃ、かーかっか』
んー、でもモスマン、目なんか合わさずバンバン人殺してるぞ。目を合わせないようにするという攻防もないし(「悪霊のはらわた」とか見習えよ)。第一、爺さん結局モスマンに殺されてるじゃん。目潰した意味ねーだろ。

更に1967年12月15日に起きた、ポイント・プレザントとオハイオ州カノーガを結ぶシルバー・ブリッジの大規模な崩落事故(46人が死亡)という大惨事を踏まえて「誰もこの街から出られんのじゃ」。
要するにこの事故は爺さんの仲間がモスマンから逃れようと街から出ようとしたために起こったと言っているのですが、キャサリン出たじゃん、10年前に。執行猶予制度でもあったのか。
モスマンもいつのまにか事件と関係ない人間まで無作為に殺し始めるし、統一感ゼロ。
モスマンが反射するもの(鏡とかガラスとかブラウン管とか)をどこでもドアのように使って出てくるのは面白かったですが…。
もうちっと巧く作れば「ザ・フォッグ」になれたかもしれないのに。残念。
