You fools! You're in danger! Can't you see?
They're here already!
You're next! You're next! You're next! YOU'RE NEXT!
長らくDVD廃盤でVHSまで法外な値段がついていた古典SFの傑作が廉価版で再発!
偉いぞ、ランコーポレーション!
「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」
(1956年/ドン・シーゲル監督)
眠っている間に自分そっくり(原子レベルで同一。記憶もコピー)な複製人間にとって代わられる恐怖。
知人が、隣人が、肉親が、別の何かにすり替わっていく。違いは個性。複製人間には感情がない。
『眠ったら皆と同じになるのか?』
『そうだ。苦しみの無い世界が待っているぞ』
『だが、感情(EMOTION)もなくなってしまうんだろ?』
『そんなものが何の役に立つ?』
あんなメタファー、こんなメタファーを想像したくなるやりとりです。
主人公二人を残してまるっと住民が入れ替わってしまったサンタ・ミラの街。新たな侵略拠点確保のために近隣に散っていく住民。一糸乱れぬ行動は軍隊さながら。
このシーン、すげー怖かったです。
78年のカウフマン版、93年のフェラーラ版、どれも味わい深くて好きですが(2007年版は未見)、デストピアな絶望エンドをギリギリで回避したシーゲル版に好感を持ちます。TV的お手軽さが強調されて印象は薄くなるかもしれませんが後味がいいです。
不満があるとすれば、本人と複製の具体的な入れ替わりが映像として表現されていなかったこと(眠った瞬間にデータが上書きされるように入れ替わってしまうのなら、敢えて複製を作る意味がない)。
脚本にはサム・ペキンパーも参加、のみならずチョイ役で出演まで。
特典ゼロですが、画質良好でペキンパーの顔が拝めて1,620円はお買い得です。
★ご参考①【カウフマン版】
★ご参考➁【フェラーラ版】