『ここでは作物は育たない。だから死んだ土なんだ。連作障害だよ』
『浅はかな者は化学肥料を与えて生産量の低下をカバーしようする…結果、病虫害の蔓延、農薬の過剰な投与…愚かな負の連鎖の結果がこれだ』
『この土はもう元には戻らないの?』
『こっちの畑はね、そこと同じ土から始めたんだ。元はひとつの畑だったんだよ。先輩たちがプロジェクトを始めて、僕たちが受け継いで、ここまで戻すのに7年かかった』
『7年…』
『もちろんまだ完全に元に戻ったわけじゃない。それでもここの作物は与えられた場所で頑張って生きている』
『じゃあ、ここは生まれ変わる?』
笑うことが出来なくなった元アイドル。死んだ土地でも時間と手間をかければまた作物が育つようになる事を教える耕作たち。
最終回近くでは、緑豊かな田舎の景色の中にすら本当の意味での自然はどこにもない。そこにあるのは先達が生きるために大自然と戦ってきた成果なのだということが語られていました。
『いい話』です。しかし、本作の主流は、いい話を根こそぎチャラにするギャグと下ネタ。この台無し感のバランスが堪りません。
「のうりん[北米版BD-BOX]」
(2014年1-3月放送/大沼心監督)
舞台は岐阜県立田茂農林高等学校(通称「のうりん」)、生産科学科2年A組。主役は栽培専攻・畑 耕作(はたこうさく)。
耕作の中の人は「生徒会役員共」津田タカトシ。安定の突っ込み芸が堪能できます。
登場人物は皆(自覚の有無は別にして)全員変態。中でも一際目を引くのは、担任教師・戸次菜摘(べっきなつみ。愛称ベッキー)。
TPOを完全無視して性的な妄想を垂れ流しては瞬間的に躁と鬱が入れ替わる(一気に上がって一気に落ちる)メンヘラでアラフォーの独身教師。
結婚願望がモラルを凌駕し、相手が生徒でも容赦無し。手の施しようがない変態です。
完全に犯罪者なのですが、父が県議会議員、母が教育委員会のトップ、更に叔父が岐阜県警の重鎮なため“岐阜にいる限り無敵”を誇る歩く治外法権です。
北米版BD-BOXはDVD2枚、BD2枚に全12話を収録して約7,000円(国コード有、英語強制字幕)。