デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

異世界の中心でアイを叫んだスバル。 Re:ゼロから始める異世界生活 ♯18

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『レムはスバルくんと逃げることはできません。だって、未来のお話は笑いながらじゃなきゃダメなんですよ?』


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『俺と逃げよう…俺と生きてくれ!』
 

何度繰り返しても誰も救えず、死体の山を築いた挙句、エミリアを死なせ、自らも無駄死に。最期に耳にしたのは己に向けた嘲笑。

 

死に戻っても最早繰り返す気力無し。全てに絶望したスバルが選らんだのはレムとの逃避行。しかし、それは自己欺瞞

 

迷える子羊の道を正す、それは天使の仕事。

 

Re:ゼロから始める異世界生活/第18話・ゼロから」2016731日深夜TV東京放送/古賀一臣演出)

 

『だってきっと今一緒に逃げてしまったら、レムが一番好きなスバルくんを置き去りにしてしまうような気がしますから』

 

『俺はこの程度の男なんだよ!力なんてないのに望みは高くて、知恵もないくせに夢ばかり見てて、できることなんてないのに無駄に足掻いて! 俺は俺は、俺が大嫌いだよ!!

 

感情の吐露。鏡の中の自分を全力で否定。


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『俺の根っこは自分可愛さで人の目ばっかり気にしてるような、小さくて卑怯で薄汚い俺の根っこは何も!何も変わらねぇ!』

 

『レムは知っています。スバルくんがどんなに先の見えない暗闇の中でも、手を伸ばしてくれる勇気がある人だってことを』

 

『そんなものはまやかしだ! お前はわかってないだけだ!自分のことは自分が一番よくわかってる!』


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『スバルくんは自分のことしか知らない! レムが見ているスバルくんのことを、スバルくんがどれだけ知っているんですか!?』

 

『俺は弱くてちっぽけで逃げて前のときも同じで逃げて、それでもどうして

 

『だって、スバルくんはレムの英雄なんです』

 

徹底した否定を、それ以上の肯定で包むレム。天使? 大天使? いや、菩薩です。


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『だからレムは信じています。どんなに辛い苦しいことがあってスバルくんが負けそうになってしまっても、世界中の誰もスバルくんを信じなくなって、スバルくん自身も自分のことが信じられなくなったとしてもレムは、信じています。レムを救ってくれたスバルくんが、本物の英雄なんだって』

 

『誰にも期待されちゃいない。誰も俺を信じちゃいない。俺は、俺が大嫌いだ』

 

『レムは、スバルくんを愛しています』


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『空っぽで何もなくてそんな自分が許せないなら、今ここから始めましょう』

『なにを

『レムの止まっていた時間をスバルくんが動かしてくれたみたいに、スバルくんが止まっていると思っていた時間を今、動かすんです。ここから始めましょう。一からいいえ、ゼロから!


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レムに後光が! そしてスバルの瞳に光が!
 

タイトル回収。そしてメンタルケア成功。

 

『かっこいいところを見せてください。スバルくん』

 

『あぁ。見ててくれ、特等席で。お前の惚れた男が、最高にかっこいいヒーローになるんだってところを!』


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ほぼ全編二人の会話のみ。動きもないのに編集と演技だけで魅せる魅せる。声優冥利に尽きる脚本と演出だったのではないでしょうか。

 

長く辛い鬱トンネルを今ようやく抜けました。大逆転の始まりです。


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