恒例:8月15日、今年のお題は、
「大日本帝国」
東条内閣の組閣から東京裁判まで、開戦とその後始末を描いた3時間超大作。
「ねえ、おかみさん、天皇陛下も戦争に行くのかしら?」
個人的には、三浦友和演じる小田島剛一陸軍少尉がかっちょ良かったですねえ。
サイパンで上官から保護している非戦闘員を放置して原隊復帰せよ(民間人など見殺しにしていいから軍人としての本分を全うせよ。要するに玉砕しろ)という命令を受けた時の
『軍人の本分とは何ですか?
祖国を守ることではないですか?
祖国とは何ですか? そこに住む人間たちではないですか?
ここにも日本人がいる以上、ここが祖国です!』
そして、敵前逃亡犯としてぶった斬ってやる!と軍刀を抜いた上官に向かって、
敵軍を斬り破って勝利を得たら、この首はいつでもあなたに差し上げる!』
実に映画的なヒーロー像ですが、やはりこういう人がひとりくらいいないと。
映画としては舛田監督の演出が大味で、戦闘シーンが良かった反面、ドラマ部分のハリボテ感が半端無いのが残念無念。
特に残念だったのがラストシーン。
どうして再会って必ず波打ち際なんでしょうねえ。
関根と息子は駅に向かっているはずなのですが、何故道を歩かん!? 闇物資背負って波打ち際を歩く必要がどこにある? 炎のランナーか?
あと復員してきたあおい輝彦も何故、大荷物背負ってたった一人で波打ち際を歩いているんだ? その土地には道がないのか?
そこで“♪あなたは、誰と、契りますか~?”とか情感たっぷりに歌われてもなぁ…。
大人数の出演者の交通整理は巧みだったのですが、別の監督であったなら、と思わずにはいられない戦争超大作でした。