
『私は戦い続けるよ。勝っても、負けても、死んでも』
看板に偽り無し。エイブラハム・リンカーンが奴隷に続いてゾンビも解放。
「リンカーンvsゾンビ」
(2012年/リチャード・シェンクマン監督)
南北戦争末期。南軍のプラスキ砦を奪取すべく派遣された北軍兵士たちが全滅。唯一の生存者は錯乱状態。
『死者が蘇って…北軍も南軍も関係無しに…人間を喰っている!』
この話の意味するところをリンカーンは知っていました。幼少時、彼の母も…。
即座にリンカーンは12人の精鋭と共にプラスキ砦へ。南北戦争どころではない。このままだと程なく国の半分は…。
砦に残った南軍兵士と呉越同舟の戦線展開。見晴台から眺める外の光景はどこぞのショッピングセンター屋上からの眺めと瓜二つ。
リンカーンの得物は巨大な鎌。バタフライ・ナイフのように折り畳まれた鎌をシャキーンとひろげてゾンビの首をスッパスッパと首チョンパ。

砦の傍の民家にはかつてリンカーンと恋仲だったメアリー・オーウェンズとその娘、そして両親とはぐれた少年、セオドア・ルーズベルトが。
南軍最初の協力者はパット・ギャレット(この戦いが終わったら西部に行ってカウボーイになりたいとか言っています)。

12人のSSの中にはジョン・ウィルクス・ブース(クレジットはジョン・ウィルキンソン)が混じっています。

本作、ゾンビ映画と言うよりは、ここいら辺の虚実綯い交ぜにしたフェイク・ヒストリーものとして楽しむのが吉です。
切り株大量生産している割にはグロ度低いですし、ゾンビの動きもかなりご都合主義(ボーっと立っているだけで全然襲ってこなかったり、わらわらと群れて来たり)。
最後はちゃんと「ゲティスバーグ演説」を挟んで「フォード劇場の観劇(の直前)」まで。
予算はかなり厳し目ですが、作りは真面目。そこそこ楽しめる一編でした。