
“I Feel rage, BEAUTIFUL RAGE!”
カプコンの「バイオハザード」に先んずる事11年、更に「28日後」から遡る事17年。
元祖細菌漏洩、元祖レイジ・ウィルスです。
「バイオ・インフェルノ」
(1985年/ハル・バーウッド監督)
ユタ州の田舎町にある農業薬品研究所バイオテックでバイオハザード発生。研究中の酵母菌が漏れ、近隣の牛や畑を守るため施設を閉鎖…と発表されましたが勿論、嘘。
施設内では軍事用細菌兵器が開発されておりました。
バイオハザードを知らせるアラームから施設閉鎖までの手順が、第三次世界大戦勃発時などの有事対応とほぼ同じなのが事の重要性を際立たせています。

感染被害が拡大していく施設内と事実を隠蔽しつつ調査を進め、最終的には全員見殺しを決断する軍関係者、情報を与えられぬまま疑心暗鬼にかられて暴徒と化す施設研究員の家族、そして元研究員と共に単独潜入を試みる保安官。
この立体的展開がいい感じのリズムを作っています。

保安官はサム・ウォーターストン、軍の責任者はヤフェット・コットー。
一気に大団円に向かう終盤がいささか出来過ぎな気もいたしますが、中途半端なバッドエンドにされるよりはよほど良いです。
ひとつ感心したのは、軍の詰め所にあったコンビニトラック。ショーウィンドウ化された荷台にサンドイッチやバーガー、コーヒーなどがあって、手の空いた人間は適宜ここで食事を摂るシステムなのですが、実に便利(と言うか絶対必要でしょ)。
研究施設以外は道路と広がりたいだけ広がる平地と青い空しかない所で24時間監視体制。食い物の補給無しではとてもじゃないがやってられません。
あまり他の映画では見かけないのですが、妙なリアリティを感じてしまいました。