
ダニエル・クレイグ・ボンドの最新作(ひょっとすると最終作)は個人的には全く“燃えない”残念作でした。
MI6消滅の危機、満を持して登場のスペクター、ボンドとブロフェルドの確執、Mの弔い合戦、旧シリーズへの目配せなどネタは豊富。
特にMI6メンバー(M、Q、マニー・ペニー)との連携による総力戦は今までにない展開で盛り上がる要素はふんだんにあったはずなのですが…。

役者は芸達者揃いだし、落ち着きのある流麗なカメラワーク↑は好みだっただけに余計残念。
「007 スペクター」
(2015年/サム・メンデス監督)
という訳でお話については割愛。ただ、プロパンガスのバルブみたいなところを1発撃っただけで、施設全域が大爆発する秘密基地は間違いなく設計上の問題があると思うので、次回発注の際は信頼できる会社に頼むようにしてください。

で、本作の見所は何と言っても(発売から間もない故)露出機会の少ないダブルバレル・ピストル『AF2011-A1 デューラー・プリズマティック(ArsenalFirearms 2011 Dueller Prismatic)』でしょう。
開発はイタリアのアーセナルファイアアームズ社。コルトガバメントを二丁重ねてひとつに貼り合わせたような独特のフォルム。

当然、銃口もふたつ。トリガーとハンマーも2つずつありますが、連結した設計なので片方を操作するだけで2発同時に発射される仕組み(排莢も左右同時)。
二丁分ですから装弾数も8+8+2で18発。45ACP弾を景気良く弾き出す暴れん坊将軍です(片側だけジャムったらどうなるんだろう?)。

折角だからもうちっとフェティッシュに撮ってくれればいいのに、ただの小道具扱いになっている(要するに作り手が銃火器に大した興味を持っていない)辺りも残念無念ポイントでありました。