
『どうすればフィルムメーカーになれますか?』
『映画しかやらないこと。自分の全てを映画に捧げ、他の事は全て忘れる。叔母を殺して金を奪ってでも映画を作るんだ!』
メナヘム・ゴーラン。イスラエルの映画監督、映画プロデューサー。監督作44本、プロデュース作200本。
従弟ヨーラム・グローバスとキャノンフィルムズを設立。製作した低予算の娯楽映画が次々ヒット。ハリウッドを蹴散らす快進撃を見た人々は二人をこう呼びました。
“THE GO-GO BOYS”と。
「キャノンフィルムズ爆走風雲録」(2014年/ヒラ・メダリア監督)
まずはキャノンフィルムズが世に放った作品を並べてみましょう。
「地獄のヒーロー」「ロサンゼルス」「暴走機関車」「スペース・バンパイア」「デルタ・フォース」「スーパー・マグナム」「コブラ」「悪魔のいけにえ2」「オーバー・ザ・トップ」

どうですか、お客さん。
名作がないの、醜悪だの、こいつらは映画人じゃない、ただのセールスマンだ、などと陰口を叩かれながら、飄々と成功の階段を駆け上がっていく様は実に痛快。
「F.I.S.T.」や「スカーフェイス」を観ているようです。
そして結末も映画同様。上がれば落ちるのがこの世の慣わし。堅実な女房役ヨーラムとイケイケな放蕩亭主メナヘム。
読み間違いか時代の流れか。掛け違えたボタンは修復されることなく袂を別ち…。

メナヘム・ゴーラン(左)とヨーラム・グローバス(右)
哀しいですね。こういう結末は。メナヘムは本作出演の直後、この世を去りました。
あとどなたか、マリオ・カサール&アンドリュー・G・ヴァイナの「カロルコ・ピクチャーズ」のドキュメントを作ってくれないでしょうか?