デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

エコノミー・セガール。 沈黙の作戦<ミッション>

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動けないセガール親父の主役ポジションをキープするためのあの手この手。

 

「沈黙の作戦<ミッション>」

2016年/キオニ・ワックスマン監督)

 

もはや数える気にもならない沈黙シリーズ最新作。親父の役どころは麻薬取締局特別捜査官のジョン・ハリソン。

 

彼が連邦保安官トム・ジェンセン(ルーク・ゴス)を取り調べているところから物語はスタート。

 

ジョンの説明とトムの証言から、麻薬王サラザールの逮捕と逃亡の顛末が語られる…という「ユージュアル・サスペクツ」仕様(ご丁寧なことにカイザー・ソゼの名前まで引用されている)。


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最近の親父は、口髭と顎鬚が繋がった“鬼瓦権造タイプ”がお気に入り。
 

サラザールはアジトでジョンに射殺され、死体を移送することになりますが、これが偽装。生きていたサラザール連邦保安官チームが護衛、しかし、サラザールの死を疑った麻薬カルテルのメンバーが連邦保安官の宿泊ホテルを急襲、一大銃撃戦に。

 

麻薬王連邦保安官呉越同舟タッグを結成するあたり「要塞警察」の趣きもあり、それはそれで楽しめます。


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親父の体がひとまわり大きく見えるのは防弾ベストのせい…じゃないよな。
 

とにかく、セガール親父は太りすぎで動けません。見せ場は冒頭のアジト襲撃シーンと最後のタイマン(相手は格闘家ジョルジュ・サンピエールのみ。


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ほぼ上半身の動きだけで相手を圧倒。凄いなー、合気道
 

これじゃあ、セガール主演映画とは言えないし、何よりアクション映画の体を成していない。

 

そこで、取調べという事後の回想形式にしてセガールの出番を増やし、更に動ける俳優を大量投入することによって、アクション映画としての面目を保つ…実によく出来た脚本です。

 

ミステリー仕立てにすることにどれほどの意義があったのかは甚だ疑問ではありますが、セガールという材料を使って一品仕上げるというお題はクリアしています。

 

これからの沈黙シリーズセガールの巨体に比例してどんどんハードルが高くなると思いますが、逆にこれを利用してとんでもない設定で逃げ切る珍品が生まれることを期待しています。


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