平幹二朗さんがお亡くなりになりました。
10月23日。82歳。浴槽で死んでいるのを家族が発見。
舞台メインでテレビがサブという印象が強いですが、“こっち側”の映画にも顔を出してくれています。印象に残っているものをいくつか摘まんでみると、
加藤泰最後の弟子、三村晴彦の監督デビュー作。主役は平さんの少年時代を演じた伊藤洋一くん(と行きずりの娼婦、田中裕子!)なので、平さんの出番は少ない(しかもほとんど動かない)のですが、ずしりとした存在感がありました。
学生時代、この映画を観て冬の旧天城街道を歩くという馬鹿なことも。
雪に埋もれた旧天城トンネルは風情を通り越して滅茶苦茶怖かったです(笑)。
平さんの役どころは、代々天皇家を霊的に守護してきた土御門家の総帥・平井保昌。
割腹時の流血で魔人・加藤の帝都襲来の日(関東大震災の日)を占うという大技を披露しておりました(「帝都物語」に関してはこちらも御参照ください)。
時代劇からも1本。
僅か6人による大名行列急襲計画。次々斬殺される刺客の中に友の姿を見たノンポリ侍・浅利(平幹二朗)が覚醒(SEは安保闘争時の機動隊vs学生の怒号)!
いずれも見た目は冷徹ですが、中は紅蓮。熱い男を演じておりました。
ご冥福をお祈りいたします。