訓練に明け暮れる警察官たち。筋肉トレーニングから格闘、射撃。
レンジで火を噴くS&W Model15、Ithaca37、晴れて制服に身を包み、配属。
そこは理想も誇りも生活すらも呑み込む“現場”。
「センチュリアン」
(1972年/リチャード・フライシャー監督)
法学部の学生ロイ(ステイシー・キーチ)は、生活のためパトロール警官に。相棒は百戦錬磨のベテラン、キルビンスキー(ジョージ・C・スコット)。
現場の警官が持っているのはS&W Model10
『敵が拳なら、こっちは警棒。敵がナイフならこっちは拳銃だ。武器がない時はレンガで殴れ』という独自のルール“キルビンスキー法”に従って巡回(因みにこれは第2条)。
左から「ロンゲントヤード」「スーパーマグナム」「センチュリアン」
地道だが教室にはない緊張感に満ち溢れた現場にのめり込むロイと離れていく家族。
家に帰ると娘の描いた絵が壁に。“WELCOMEHOME, SUPERCOP”の文字は父親を讃えているように見えますが(いや実際讃えているのですが)、そこに描かれている絵はバッジをつけたピンクの豚。
この絵一枚に、本作のどうしようもない閉塞感が現れています。
憎まれ疎まれ感謝もされず常に死と隣り合わせ。正しく70年代な警察官映画です。
海外のDVDジャケやポスターは安いコメディ映画のようで、作品の雰囲気を全く伝えておりません。それに比べて日本のポスターアート↑は実に暗くていい感じ。