デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

もはや残滓ですらない。 劇場霊

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クロユリ団地」を取り上げた際Jホラー残滓”というタイトルを付けましたが、最早これは残滓ですらありません。

劇場霊2015年/中田秀夫監督)


このタイトルでこの監督、誰もがJホラー始まりの1本「女優霊」を期待すると思いますが、結果は残念無双。

まずタイトルが詐欺。

劇場に憑りついている霊かと思いきや、巡り巡って劇場に辿りついてしまった人形の頭に宿る霊です

※いや実の所、霊なのか人形に芽生えてしまった自我なのかよく分からないのですが、タイトルに『霊』と謳っているのだから、霊ってことで通します。

 

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何かと取沙汰されているAKBの方の演技はそんなに酷評するほどではありません。むしろ、周りの無名陣、特に舞台演出家のおっさん(ジブリの出たがりプロデューサーに似ている)の演技の方がはらほろひれはれでした。

 

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幽霊に因果律を求めるのも如何なものかとは思いますが、この幽霊さん(と言うか人形さん)行動原理が滅茶苦茶。何に怨み(あるいは未練)を持ったのか、何が目的なのかさっぱり。

終盤、ターミネーターと化した人形が、人襲いまくり、精気吸いまくり(スペース・インベーダーかよ!)。本来ならどんどん若返る(勢い余って人間に戻ってもおかしくない)はずなのに、何故か顔面劣化。

ただ単に人形のグロ絵を撮りたかっただけだと思いますが、辻褄が合っていません。

人形の主観目線も安さ爆発。別に小中理論を絶対視する気はありませんし、むしろ、小中理論を突き崩す所からしか新しい恐怖は生まれないとも思っているのですが、こんなショボい映像を並べられて「怖がれ」と言われてもなあ…。

やはり高橋洋の脚本は凄かったという事でしょうか。

 

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本作の脚本は加藤淳也・三宅隆太の「クロユリ」コンビ。制作関係もほぼ「クロユリ」。要するにチーム秋元。

話の整合性がとれていない、役者の演技が大笑い、そして何より怖くない(人形にリーガンや伽椰子のモノマネさせてもギャグにしか見えません)。

本来、人形ってそれだけで怖い存在なはずなのに、何じゃこりゃこりゃです(←文章が冷静さを欠いていますね)。

今度、怖い人形ランキングでもやってみようかしら。


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