タイトルだけは知っていましたが未見という50年代SFをようやっと観賞。
「それは外宇宙からやって来た/IT CAME FROM OUTER SPACE」
(1953年/ジャック・アーノルド監督)
50年代と言えば「地球の静止する日」「遊星よりの物体X」「宇宙戦争」「世紀の謎空飛ぶ円盤地球を襲撃す」「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」「クロノス」といったエンカウンターもの(その大半は侵略もの)が咲き乱れておりましたが、その中でも本作は異色。
異星人に悪意なく、何かを警告するわけでも友達になろうとするわけでもありません。
彼らは誤って地球に不時着しただけ。目的は宇宙船の修理と速やかな離脱。
近隣の住民を拉致してその姿を借り(トランスフォームし)て密かに部品(の原材料となるもの)を集める異星人。
宇宙人の存在を主張しても相手にされない天文学者が彼らに問う。何故、姿を現さないのか、と。
彼らは応える。君たちとは(見た目が)違いすぎるからだ、と。
彼らは知っているのだ。見た目の違いはそれだけで対立を生む事を。その先には悲劇しか待っていない事を。
事実、彼らの姿を見た天文学者は顔を背け目を覆い、その場から逃げ出してしまいます。肌の色が違うだけで容易に差別と迫害を繰り出す未開種族の地球人に接近遭遇は早すぎた。
話の展開が展開なので派手な見せ場は少ないですが、隕石(実は宇宙船)の飛来シーンやクレーターの崩落で宇宙船が埋まってしまうカットとか、レーザー光線が岩盤壁を切り裂いていく特撮↑↓など「おっ!」っとなる場面はありました。
監督はこの後、「世紀の怪物/タランチュラの襲撃」「縮みゆく人間」「モノリスの怪物~宇宙からの脅威~」といった佳作を連打してくれます(全て50年代)。
やはりSFは50’sですね(技術じゃない、マインドの問題)。