デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

仁義前年、破滅の美学。 現代やくざ 人斬り与太

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『一度負け癖がついた犬はな、それっきり噛み付くことさえ忘れちまうんだ。俺達だって同じことよ。一度逃げ足を覚えた奴は絶対に浮かび上がることはできねえよ』

 

仁義なき戦い前年、無政府主義の原野を駆け抜けた野良犬の挽歌。

 

「現代やくざ 人斬り与太」1972年/深作欣二監督)

 

菅原文太が清々しいまでに最低(笑)。

 

愚連隊のリーダーとして大暴れ。喧嘩、カツアゲ、女は集団レイプした挙句、女郎屋に売り飛ばすえげつなさ。

 

新興やくざの滝川組に目をつけられ“みかじめ”を要求されますが当然無視。ボコられたら速攻仕返し、銭湯で♪ババンババンバンバンな組員を包丁でささらもさら。

 

刑務所でもボコられますが、即三枚下ろしにして独房経由牢名主。どうもこの人の人生は、大暴れ→袋叩き→100倍返し→大暴れの繰り返しのようです。

 

出所後ははぐれやくざ小池朝雄と組んで大暴れ。再び滝川組と敵対しますが…。


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文太の子分は小林稔侍&地井武男。三下にもきっちり表情作らせる深作演出。
 

本作、影の主役と言っていいのが、滝川組に反目する矢頭組組長の安藤昇

 

『昔の俺達もあんな風だったか?』

『そうですね。あれ以上だったかもしれねえが…』

『今は昔か…』

 

文太の傍若無人さに若い頃の自分を重ねて何かと支援。しかし歯止めの効かない文太は関西の大組織、大和会の会長にまであやをつけてしまい…。

 

安藤昇には常について回る枕詞ですが、“本物の迫力”に慄きます。部下に目だけで「(滝川組の組長を)殺ってこい」と伝える時の目力、いや顔力の凄まじさ。


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(殺ってこい)(分かりました)
 

「広島死闘篇」の山中(北大路欣也)とも大友(千葉真一)とも一味違う(勿論「仁義の墓場」の石川力夫とも異なる)破滅型アナーキスト菅原文太が堪能できます。


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