『最初に、この世界を“宇宙”と呼称したい。この情報を基底として話をしよう。私は宇宙の外から来た』
羽田空港に突如出現した一辺2kmの立方体“カド”。その持ち主を名乗る謎の存在“ヤハクィザシュニナ”。ザシュニナは全マスコミ公開の場で日本国政府との対話を希望。
ザシュニナ側交渉人は外務省が誇るタフネゴシエーター、真道 幸路朗。対する日本政府代表は同じく外務省 国際交渉官、徭 沙羅花(つかい さらか)。
ここでザシュニナは自分は宇宙の外側“ノヴォ(異方)”から来たと告げ、異方から無限の電力エネルギー供給源“ワム”を取り出して見せた。人類に供与するために。
それは国家のバランスを根底から覆すパンドラの箱。
『人よ、どうか正解されたい』
「正解するカド/第3話・ワム 第4話・ロトワ」
(2017年4月21日・28日TOKYO MX放送/齋藤昭裕、田辺泰裕演出)
電池にもなれば発電所にもなる、電力インフラを無用の長物に変える無尽蔵の電力蛇口“ワム”。その扱いに対する国連の反応は、
当然と言えば当然の反応。
この利害に基づいた集団“国家”をヤハクィザシュニナは『意思統一を目的とした組織』『高度に洗練されたコミュニティ』と表現しながら、『概念が定義を超えて力を持っている…暴走していると表現出来る』とも。
『国家はパンを食べない。“ワム”は国家に与えるものでは無い。人類に与えるものなのだ』
しかし、国連安保理が採択した決議は、
『日本が保有する全ての“ワム”の即時無条件放棄と国連提出』
これに違反する場合の措置として国連憲章第7章、即ち、“金融規制、渡航禁止、外交断絶、そして国際軍事行動の実施”も盛り込む念の入れよう。
流石戦勝国組織。こういう時だけ一枚岩です。これに対しザシュニナは、
『“ワム”の浸透と拡散をより推進する別の方法がある。だが、その為には日本政府の更なる協力と…覚悟が必要だ』
『覚悟?』
『この世界に、爆弾を落とす覚悟だ…』
ザシュニナの思惑は何か。鍵を握るのは釘宮…じゃない、品輪彼方。いやはや、先が読めないというのはいいものです。