デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

バリアフリーホラー? へんげ

イメージ 1お好きな人なら色々なものが透けて見えると思います。

 

「ウルトラQ/変身」「鉄男」「ヘルレイザー」「ザ・フライ」「震える舌」…。とりもなおさず監督の好みが反映されているのでしょう。

 

同じ自主映画なら飯田譲治監督の「キクロプス CYCLOPS」辺りとも近い手触りを感じます。

 

獣のような咆哮と痙攣。何の前触れもなく襲ってくる夫の発作に悩む妻。

 

やがて夫の体にある変化が…。

 

「へんげ」2011年/大畑創監督)

 

後に「ABC・オブ・デス2」の一編も手掛ける大畑監督の商業デビュー作。

 

メインタイトル後に“とある夫婦の、愛の物語……”の一文。最後まで見るとこの“愛”の意味するところが分かります。

 

へんげとは夫の肉体的・精神的メタモルファーゼを指していますが、作品のジャンル自体もお話の進行と共にへんげしていきます(このハンドル捌きはお上手。正にバリアフリー)。

 

医療ものと見せかけてオカルト、と見せかけてSF、ホラー、そして最後には…。

 

ううむ、まさかあそこまで豪快に舵を切り倒すとは。というか、あのやり逃げこそが本作の目的なのでしょう。

 

特撮(と言うか特殊造型)のヘボさと演出のヌルさ、役者のリアクションの不自然さなど、自主っぽい稚拙さはそこかしこにあるのですが、ラストのやり切った感が共有できる人には十分アリな作品です。

 

※写真はネタバレになるので、今回はソフトのジャケ写のみで失礼。


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