大阪、モノクロ、手持ちカメラ。ヤクザと元ヤクザとチンピラ軍団。
暴力装置としては手垢のついたものばかりですが、ここに割って入る能面マンのビジュアルが強烈すぎて「何か新しいもの」の誕生に立ち会ってしまったかのような感慨を覚えてしまいました。
「コントロール・オブ・バイオレンス CONTROL OF VIOLENCE」
(2015年/石原貴洋監督)
ヤクザ組織を潰しにかかるチンピラ軍団。頭を張るのは関東から流れ着いたイカレ男、通称“サブゼロ”(渋川清彦)。
この抗争に巻き込まれた元ヤクザ郷田(山中アラタ。現在は餃子製造工場社長)。
そして、この抗争に介入する謎の能面マン。
餃子工場社長×前科30犯×能面マン
格闘術と錐のような突起物の付いたメリケンサックで倒した相手はガソリンかけて重ね焼き。
恐ろしすぎるビジュアルです。
近年のマスクキャラの中でも出色の出来。
「今日び、飛び道具はご法度だ」ってことで得物はドスと拳と金属バット。殴る蹴る絞める落とす刺す抉る(燃やす)。原初の暴力による殲滅戦。
主要メンバー以外の演技が稚拙なのが難点ですが、能面マンの絵づらでチャラ。
ただ、折角の異能キャラなのにオチがあまりに予定調和。ある意味台無し。
こうなったら、このキャラ使ったスピンオフ「必殺能面人」作って起死回生、災い転じて大惨事な新シリーズを企画してもらうしかありません。
ウケると思います。多分、いや絶対。
追伸。エンド・クレジットの「守護神:林海象」(←プロデューサー)という表記には笑かせてもらいました。