『結婚してくれ』
『え…?』
『やっと見つけたんだ。守りたいと思うものができた。帰りたいと思う場所ができた。自分はまだ生きていていいんだって。生き続ける価値と資格があるんだってようやく実感できた。だからお前を幸せにしてやる』
『…うん』
この二人のいいところは、感情表現に迷いがないところ。すれ違ったり勘違いしたりの回り道がありません。
『きれいだ』『一緒にいたい』『結婚してくれ』…500年の悔恨を引きずる男といつ自分が消えてしまうか分からない女に行きつ戻りつしている余裕はないのです。
ようやく獣に襲われた飛行艇の救援隊として地上に降り立ったヴィレム、クトリ、ネフレン。
初対面となる妖精兵、ラーントルクとノフトは人間族のヴィレムに警戒心満開。
『あなた人間族なのでしょう?世界を滅ぼした大罪の一族を受け入れる方がどうかしています』
しかし、ヴィレムのマッサージに即落ち2コマ(クトリちょっとおこ)。
ラーントルクの疑問は世界を滅ぼした17種の獣は何故生まれたのか? 何故、瞬く間に地図が意味をなさなくなるほど急激にその数を増やしたのか?
『よくは知らねぇが元々生物兵器の一種だと聞いている』
『ならば素体となる生き物がいたはずですよね? 人間は一体何から獣を生み出したのでしょうか?』
その答えはノフトの剣に。
『この剣はキンスレイヤー。キン、同族だけを殺すことに特化している…つまり人間が人間を殺すことにしか使えない剣ってことだ…』
人間しか殺せない剣で獣を倒している?!
第6話でのイーボンキャンドルと大賢者の会話、
『なぜ獣の真実を伝えん』
『かつては兄とも慕った相手だ。わしはあの男にだけはこれ以上憎まれたくない』
は、そういう意味だったんですね。
一方、ヴィレムの愛人と間違われて同行を許可されたクトリは女子力の高さで荒くれ軍人のアイドルに。
飛行艇の軍人がお手伝い要員に…。似たような光景をどこかで…。
ほのぼのムードの中でも前世の侵食(人格破壊)は確実に進み…。
ハッピーエンドの予感がビタ一文しない展開です(プロポーズもフラグにしか…)。
次回サブタイ「どうか、忘れないで」。不穏だ、不穏すぎる。