デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

重い。刺さる。 セントールの悩み ♯6

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絵は? 絵の方は進んだの?』

『あーそれが、なかなか筆が乗らなくてね』

『私は芸術のことなんて教科書以上は知らないけど。

 お父さんは本当に画家なの?

『それを言われると辛いね絵で食べられてる訳じゃないからね。でも

『食べられる、食べられないじゃないの

 お仕事も休んで、子どもたちも寝てる。

 画家なら、その間に少しでも描くものではないの?』

『ああ絵って言うのは、そんな合間合間に出来るものじゃないんだよ。それにご飯が出来てたら君も楽だろう?』

 

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芥川の地獄変で、絵師は自分の娘が焼き殺される姿を描いた

『そこまでするのは酷いよね。父として、人として

 そんなことしたら君は父を恨むだろう?』

『勿論恨むわ。でもお父さんが画家で芸術家なら恨まれても描くべきよ。

 僅かの隙にでも、子どもに恨まれても描くべきよ。

 描かないなら他の道を選んで。

 芸術家になるの?それとも良き父親になるの?

 

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『良き父親と芸術家は両立できない訳じゃないと思うよ』

お父さんは両立できるほど才能がある人なの? 

 画家として身を立てられず、父親としても週半分しか働かない契約社員そんなの末娘の保証金を当てにする、悪い父親よ』

 

取り上げるのがエライこと遅くなってしまいましたが、このやりとりを見て悶死した人、結構いたんじゃないでしょうか。

 

セントールの悩み/第6B part・本当に好きなことを仕事にすることは果たして幸せなのかな?」2017813BS11放送/村田光演出)

 

各々の家の抱える事情が垣間見える“日常”回。重かったのは委員長・御魂 真奈美(みたま まなみ)の家庭。

 

神社の長女。一歩間違えれば霊感商法な出張除霊。母親の姿はなく、父親は仕事半分画家半分。幼い妹が4人。そして末娘には某かの障害があるっぽい。

 

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あちこち逃げを打つ父親に正論かます委員長。多分、彼女は父親に画家として大成して欲しいのだ。

 

だから、全てを投げ打ってでも精進して欲しい。子供を、私たちを、善き父親になることの大義を、隠れ蓑にして欲しくないのだ。

 

父も辛いが娘も辛い。主人公・姫乃の家庭が超安定(姫乃も母親にベタ甘え)している分、背負っている荷物の重さの違いが際立ちます。

 

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何なんだ、この違いは…。
 

何気にこういうシリアスを突っ込んでくるから気が抜けません。

 
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