「もっとトシを!」「さらにトシを!」に続く田原俊彦三部作完結編。
「必殺始末人Ⅲ 地獄に散った花びら二枚」
(1997年/松島哲也監督)
1作目2作目の監督、石原興は定位置“撮影”に戻ってのシリーズ最終弾。
敵役に平泉成、寺島進を配した豪華版です。脚本は正直“普通”な仕上がりですが、レギュラー陣もいい感じにこなれてきて、現場があったまっている感じがします。
ナンノの“なんちゃって梅安”も板についてまいりました。
トシは浪人・只次郎と能楽笛方の家元・岡村麻之助の二役。「ウィーン物語 ジェミニ YとS」以来の一人二役。これぞアイドルのお約束。
余談ですが「YとS」のYはヨハネス、Sは俊一。公開当時から突っ込まれておりましたが、ヨハネスならYじゃなくてJだろ!
で、今回のお話はお家騒動に絡む偽装婚礼と仕官を餌にこれに巻き込まれた浪人夫婦という実にありがちな必殺話。普通であるが故に注文もないのですが、唯一、文句をつけるとすれば、
浪人の妻・お初(水島かおり)を折檻する際の縛り方がぬるい!
あれじゃすぐに縄抜けできちゃうだろ。縄師雇わんかったんかい。緊縛舐めんなよ。
仕事は成功も始末人は解散(面が割れて人相書きが出回ってしまった)。たった3回でお仕舞いとは勿体無い。1クールでいいからTV版を作って欲しかった…。