『壁の向こうには…海があって、海の向こうには…自由がある。
ずっとそう信じてた…。
…でも違った。海の向こういるのは敵だ。
…なあ? 向こうにいる敵…全部殺せば…俺達
自由になれるのか?』
敵には敵の都合と大義がありました。
「進撃の巨人/第23巻」
(2017年8月9日第1刷発行/諌山創著)
22巻までかけてようやく世界の全貌が見えてきた所で大鉈振るう舞台転換。主役交代とも言える新章突入は賛否あるかかもしれません。
しかしここは描いておかないと。
時はエレンらがジーク(獣の巨人)、ライナー(鎧の巨人)を退けてから4年後。
パラディ島制圧作戦(始祖の巨人奪還作戦)の失敗は大国マーレの軍事力低下を世界にアピール、各国の付け入る隙を与える事に。
その後、マーレがパラディ島に送った調査船団(駆逐艦を含む32隻)全てが未帰港(調査兵団が全部沈めてしまったのでしょう)。
マーレでは、「獣」「鎧」の後継者(文字通りその能力を引き継ぐ者)を決めるための選考会が戦争という実戦の中で進められていました。
残り寿命1年以内のリマッチに賭ける獣の巨人ジーク
次世代を担うエルディア人の少年少女。ここでのライナーはまさに憧れの的。スター。
そこからライナーの少年時代の回想へ…ってひょっとして第1巻からの話をライナー目線で紡ぎ直す気なのか?(ゲーム版「バイオハザード2」のレオン編・クレア編みたいな感じか)
(エレン達から見たら敵側の)次世代戦士成長物語とこれまでの物語の解体と再構築。これを物語の重層的発展ととるか、単なる水増しととるかで評価が分かれそうです。
答えは次回24巻ではっきりするでしょう。発売は12月8日。