ボーイフレンド、マークの18歳の誕生日に部屋に忍び込んだ恋人ケリー。
さあてお熱い夜をあなたに、と思ったのに階下で物音、様子を見に行ったマークも帰ってこない。
どうやら今夜、この家に忍び込んだのはケリーだけではなかったらしい。
「タイガー・ハウス」(2015年/トーマス・デイリー監督)
南アとイギリスの合作という変わり種。設定からすぐに思い出すのは「サプライズ」ですが、犯罪目的で侵入した集団と彼らに存在を気づかれていない第三者という関係はウルトラスケールダウンした「ダイハード」。
脅威の身体能力を発揮する女子高生ケリー(カヤ・スコデラーリオ)ですが、冒頭で「運動ばっかりやってる」というマークの一言があるだけで、種目の説明すら無し。
何か新体操らしいのですが、だったらレオタードでくるくる回っているシーンとか入れろよ。
侵入者の死角をついて移動する所なんか、お前はニンジャか特種部隊かと言うくらいのスニーキングスキル。いや、それ、絶対気づかれてるって。何だよ、それ、コントかよ。
冒頭で、悪ふざけをしていたマークの持ったボウガンがケリーの足を射抜く、というショッキングなシーンがあるのですが、それによってケリーの選手生命が絶たれたという描写も、ケリーがマークを恨んでいるという設定もなくて、ラブラブのまま…何か納得がいきません。
侵入者はマークの父親(銀行員か何かなのか?)を使って、銀行から大金をせしめようとしているようなのですが、犯行の手口の説明もなけりゃ実行のシーンもない。
出掛けたと思ったら車に大金積んで戻ってきて「大成功だ!」ってなんじゃそりゃそりゃ。
マークは母親は征服欲の強い色ボケおばさん(しかも差別主義者)だし、犯人グループの留守番役はただのメンヘラだし、敵も味方も誰が死んでもいいや状態。
もーちっとうまくつくれば「ドント・ブリーズ」な作品になったかもしれないのに。勿体ない。