2005年。コールドスリープの被験者に選ばれた超フツーな軍人ジョー(ルーク・ウィルソン)と娼婦リタ(マーヤ・ルドルフ)。
1年後に目覚めるはずが不幸と偶然と手違いでぐっすり爆睡500年。
26世紀のアメリカは目を覆うバカ国家になっていました。
「26世紀青年」(2006年/マイク・ジャッジ監督)
酷い邦題ベストテンをやったら上位入賞間違いなしなタイトル(「バス男」と肩を並べる酷さ)。
原題は「IDIOCRCY」。IDIOT+DEMOCRACYで“バカ主権主義”って感じでしょうか。
何故、アメリカはバカ一色になってしまったのか、の説明はあります。
インテリ層が状況判断から子作りに消極的なのに対して貧困層は衝動と勢いで無秩序に生殖(他所の女にも手ぇ出してファミリー・ツリーが無限増殖)。
結果、貧乏人の子沢山が繰り返され、全米中がレッドネックに。
ここ、妙に説得力があるので困ります。昔、よく大家族もののドキュメントを見ていましたが、理解に苦しむ行動が多々ありました。
金が無い→消費者金融で借金→「これで年が越せる」→家族揃って寿司屋で豪遊。
バカなのか? この家族はバカなのか? これが国中に蔓延したら確かにバカのバカによるバカ国家ができるかもしれません。
問題に対処する能力も喪失。無秩序に積み上げたゴミ山が崩れてゴミ雪崩。
この勢いでコールドスリープ解除。500年の眠りから覚めたジョーはバカまみれ国家に唖然茫然。
秩序も経済も崩壊。大統領はプロレスラー。国を牛耳っているのは飲料会社(名前変えてますがゲータレード)。飲料水は全てゲータレード(水はトイレを流す時にしか使わない)。
畑にもゲータレード撒いているから電解質が層を作って作物枯れて砂漠化。
2005年には超フツーだったジョーですが、2505年では人類トップクラスの知能の持ち主に。
アメリカ人が“ちょっと頭悪い”ってレベルじゃなくて、凄くヤバイ状態(「モンティ・パイソン」の“上流階級アホ決定戦”の貴族に近い)で嫌ぁな感じにリアルなのが気になります。
ジャンル分けすると“デストピアコメディ”とかになるのでしょうか。