『あなたのせいよ…あなたのことも百歩譲って仲間だと認めてあげるわ』
(だが堀北。俺はお前を仲間だと思ったことはない。お前も。櫛田も。平田も。全ての人間は道具でしかない。過程は関係ない。どんな犠牲を払おうとこの世は勝つことが全てだ。最後に俺が勝ってさえいればそれでいい)
色々と引っかかる事が山ほどあって、何となく紹介しそびれていたのですが、この独白でようやく腹に落ちました。
(2017年7月12日~9月27日/TOKYO MX放送/岸誠二×橋本裕之共同監督)
最新設備を備え、毎月多額の電子マネーが支給され、卒業生は希望する進路をほぼ100%認められるという全国屈指の名門校・国立高度育成高等学校。
能力(成績だけではない)によって選別されたクラス編成。最下層Dクラスには、ぼっちでチートで目立たない男子とぼっちでチートで悪目立ちする女子とアイドル的女子と正義漢溢るるリーダー格の男子とそれに寄生する女子と…。
という「バカテス」のステージに「俺ガイル」のキャラクターを投げ込んで「恋チョコ」的なシリアスさを混ぜ込んだ分かりやすい構成…なのですが。
近未来でも異世界でもない世界観で、こういう特殊な学校を舞台にする場合、リアル(日本という法治・経済社会)との均衡が難しいです。
ホラの吹き方、風呂敷の広げ方を間違えるとすべてが嘘くさくなってお話に集中できません。
「バカテス」「ガルパン」最近だと「賭ケグルイ」は成功した例、「恋チョコ」は(私の中では)大失敗例。本作も失敗例に入ると思います。
そもそも入学の基準はあるのか。あからさまに頭の悪い奴と問題児で構成されたクラスがあるのは何故だ。入試はやっているようだが希望者全員合格なのか。それで4クラスって少なすぎないか?
いやそれ以前に「実力至上主義」を詠っていながら連帯責任に基づいたクラス対抗という図式になっているのは何故だ。実力至上主義とは個人主義の行き着く先のことではないのか?
クライマックスとなる無人島試験(すげーどーでもいいイベント)に至っては完全にチームワークが要求されている。どこが実力至上主義やねん?!
という疑問が冒頭掲げた主人公・綾小路清隆のモノローグで幾分解消されました。
何と言うか12話かけてようやく人物紹介が終わった感じ。
謎の部分が全部投げっ放しで二期ありきの終わり方でしたが、割とどうでもいいや、と言うのが正直なところです。