《誰かが一番欲しいものはいつも他の誰かが持っていて…
しかも持っている本人にとっては大して価値がなかったりする。
欲しいものと持っているものが一致しているのは凄く奇跡的な事で。
悲劇も喜劇も主に奇跡の非在故に起きるのだ。
この世界は大体全部…そんな感じに出来ている》
望んでも望み得ぬもの。毎回アバンの飛ばし振りに目を奪われがちですが、各人が抱えているのは結構シビアな問題・課題。
ちょっと「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」に近い肌触り。
「妹さえいればいい。/第2話・奇跡さえ起きればいい。」
(2017年10月17日深夜BS11放送/五味伸介演出)
2話は人物相関整理回。
2年前、大学の授業そっちのけでPCに何か(小説)を打ち込み続ける羽島伊月を見つめる白川京(しらかわ みやこ)。
(彼は何か大学の授業とか遊びやバイトより大事なものを自分の中にちゃんと持ってる気がした。あたしが持ってない何かを)
その伊月の書く小説に存在を肯定されたと感じた可児 那由多(かに なゆた)。
『私は先輩に救われたんです』
伊月に近づきたい一心で書き上げた小説は伊月の才能を凌駕していた。
『格が違う…』
文才には恵まれなかったが、流行ネタや作者個人のキャラで頭角を現した不破春斗(ふわ はると)。間接的に彼の立ち位置を真っ向否定する伊月。
『作者のキャラ性で本が売れても嬉しくも何ともない!』
『言ってろよ…お前ら天才がそうやって足踏みしてる間に俺はもっと先に進んでやるさ』
『お兄の方がバカだし! 変態! エロゲーオタク!』
『あーーー!妹が欲しいいいい!』
魂の慟哭。〆は伊月の義弟、羽島千尋(はしま ちひろ)の入浴シーン。
義…弟? いやこれはどう見ても…。