“その鍵は彼女だけが持っていて、俺は触れたことがない”
第11巻から待つこと2年と3ヶ月。(アニメと共に)燃えつきたか渡航、尾羽打ち枯らしたか渡航。
今年4月に発売告知されながらも延期となった時は、もう11巻(=アニメ2期最終話)を以って完結でもいいかもしれない、と言う脳内補完までしておりました。
9月発売も書店で現物見るまでは半信半疑でしたが、無事発売。なにはともあれ祝!継続。
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。/第12巻」(2017年9月25日初版発行/渡航著)
お話は11巻から直球地続き(つまりまだバレンタインデー)。
正直、水増し感はあります。2年3ヶ月のブランクを埋めるかのように語られる“奉仕部のこれまで四方山話”は、もし、11巻と切れ目なく12巻が発売されていれば間違いなくカットされていた箇所でしょう。
前半は情景描写とモノローグが多く、実会話が少ないので話がなかなか転がっていきません。
これまでのように暇を見つけて何度も読み返すかと聞かれれば現時点では「否」。それでも一気に読み進められたのは、確実に終りが近いことを予感させるから。
特に前半とラストで挿入されるinterlude(幕間)と題された由比ヶ浜結衣の慟哭と言っていいモノローグ。
比企谷八幡以外の人間が台詞以外でストレートに心情吐露するのは多分初めて。
“本物なんて、ほしくなかった”
プロムパーティを八幡に頼らず開催させようとする雪ノ下。開催に待ったをかける保護者代表・雪ノ下母、『いつか助けると約束したから』という理由で介入を決意する八幡、その行動を素直に喜べない由比ヶ浜。
雪ノ下姉に「共依存」と看破された3人の関係性を3人なりの方法で変化させようというあがき。
今回に限り「あとがき」無し。謝辞も謝罪も言い訳も軽口も無し。やり切ったということか。それとも完結するまで書かないと決めたのか。
ここまで来たら間を置かずに13巻出してください。お願いします。
※追伸:小町ちゃん、合格おめでとう!