世の中には便利な本があるものです。
今更読んでないとも言い難いが、ぶっちゃけ今更読みたいとも思わない文学作品の概要をさらっと漫画でご紹介。
「必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」(2017年9月13日リイド社より初版発行/ドリヤス工場著)
ひと目で分かると思いますが、ドリヤス工場というのは水木しげる先生のトリビュート作家(有体に言えばパロディ漫画家。本人の言によれば “パチモノ同人作家”)。
「有名すぎる~」「定番すぎる~」に続く第3弾です。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸/トロッコ」に始まり、夏目漱石「我輩は猫である」、森鴎外「山椒大夫」、谷崎潤一郎「春琴抄」、ツルゲーネフ「初恋」など25編。
漫画という媒体はやはりストーリー物との親和性が高いようで、論文的な内容だと単に原文の一部をコマに貼り付けた感じになってコマ割りによるリズムが生まれにくいようです(福澤諭吉「学問のすゝめ」、マルクス/エンゲルス「共産党宣言」など)。
個人的お薦めは、魯迅「狂人日記」、宮沢賢治「風の又三郎」、押川春浪「海底軍艦」、江戸川乱歩「D坂の殺人事件」、ラヴクラフト「クトゥルフの呼び声」、泉鏡花「夜叉ヶ池」。
まあ単に元々好きなものを並べただけという気もいたしますが…。
既刊も読んでみようかしら。