
『明日が暗い日になるのは分かっていたが、一人抜けて真っ暗になったな。でも誰かのためになれる。ここにいる尊敬できる男たちと共に』
だから残る。逃げない。戦う。男の矜持か死に場所探しか。金で雇われた多国籍傭兵部隊。その中に復讐を誓う男がひとり。
「マグニフィセント・セブン」(2016年/アントワーン・フークワ監督)
西部劇としての体裁はきっちり取っていますし、ツボも押さえています。単独の作品として見ればそこそこ及第点なのですが、オリジナルと比べるとどうしても…。
この手の集団抗争ものは“仲間集め”がキモで、集まった時点でほぼ完結する一種の出オチなのですが、ここが実にあっさり。
男たちに脂ぎった凄み無く、町は砂塵ひとつ立たずまるで観光地。そこに住む人々にしたたかさ無く、悪役にユーモアがない。
仲間集めのテスト、勝手について来る若者、子供たちとの交流と躾け(お父さんは臆病者なんかじゃない!)、本当の勝者、といった要素がごっそりすっぽり抜け落ちています。
西部劇としてのキモは押さえていましたが、「荒野の七人」のキモは総スルー。
代わりに加わったのが、「ウェスタン」を彷彿させる復讐要素とガトリングという小道具。
おいおい、それじゃマカロニだろ。

Colt 1874 Gatling Gun
そのガトリング、射程長すぎ。あれは押し寄せる集団を薙ぎ倒すためのものであって、連射できる狙撃銃じゃないぞ。
その他の銃器系は西部劇らしくSAAを中心にオープントップ・リボルバー、スコフィールド、イエローボーイなど王道揃い。