デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

西部劇としては及第点ですが。 マグニフィセント・セブン

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『明日が暗い日になるのは分かっていたが、一人抜けて真っ暗になったな。でも誰かのためになれる。ここにいる尊敬できる男たちと共に』

だから残る。逃げない。戦う。男の矜持か死に場所探しか。金で雇われた多国籍傭兵部隊。その中に復讐を誓う男がひとり。

マグニフィセント・セブン2016年/アントワーン・フークワ監督)

西部劇としての体裁はきっちり取っていますし、ツボも押さえています。単独の作品として見ればそこそこ及第点なのですが、オリジナルと比べるとどうしても…。

この手の集団抗争ものは“仲間集め”がキモで、集まった時点でほぼ完結する一種の出オチなのですが、ここが実にあっさり。

男たちに脂ぎった凄み無く、町は砂塵ひとつ立たずまるで観光地。そこに住む人々にしたたかさ無く、悪役にユーモアがない。

仲間集めのテスト、勝手について来る若者、子供たちとの交流と躾け(お父さんは臆病者なんかじゃない!)、本当の勝者、といった要素がごっそりすっぽり抜け落ちています。

西部劇としてのキモは押さえていましたが、「荒野の七人」のキモは総スルー。

代わりに加わったのが、「ウェスタン」を彷彿させる復讐要素とガトリングという小道具。

おいおい、それじゃマカロニだろ。

 

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Colt 1874 Gatling Gun

そのガトリング、射程長すぎ。あれは押し寄せる集団を薙ぎ倒すためのものであって、連射できる狙撃銃じゃないぞ。

その他の銃器系は西部劇らしくSAAを中心にオープントップ・リボルバー、スコフィールド、イエローボーイなど王道揃い。

 

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ヘイリー・ベネットが構えるイエローボーイ(左)とオープントップ・リボルバー

ちょっと欲しいなと思ったのはクリス・パットが持っていたウェブリー・ブリティッシュブルドッグ

 

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ポケット・リボルバーと呼ばれる小型拳銃(装填は5発)で、188172日のジェームズ・ガーフィールド米大統領暗殺にも使用されました。

 
 
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