
『笑ってる』
『え?なんで?』
『分かんないけど…仲良くなったのかも。絶望と』

届かなかった対岸。眼下に広がる下層世界。
「少女終末旅行/第3-6話」
(2017年10-11月TOKYO MX放送/尾崎隆晴監督)
廃墟の都市を旅するチトとユーリ。何もかもが滅んだと思っていた世界で出会った人間がふたり。
ひとりは果てしなく続くクレーターのような割れ目に橋を掛けてくれたカナザワ。そして、故障したケッテンクラートを修理してくれたイシイ。

3人を繋いだのはカロリーメイト(フルーツ味)と茹で芋。食べ物大事。
カナザワはその時間の全てを使って地図を、イシイは飛行機を作っていました。
しかし、ふたりのライフワークは無常にも志半ばで宙を舞い…。

『こいつを失くしたら僕はきっと死んでしまうよ…』
6話「離陸」ではユーリがテキトーに歌う「絶望の唄」がテーマソングに。
絶望と仲良くなる、というのは新たな希望を手に入れるための通過儀礼なのかもしれません。神話なんですね、このお話は。

『ぜっつぼー♪ぜっつぼー♪ふんふーふふ♪』
絶望で思い出すのは「新世紀エヴァンゲリオン/第拾六話・死に至る病、そして」。
キェルケゴールの著作に由来するサブタイの意味するものは絶望。キェルケゴールは死に至らない病=希望としているようですが、ここでは、絶望により(擬似的な)死に至り、再生して希望を手にする、という神話チックな流れを意識しているの…かも。
『長い間1人で…1人で頑張ってきたが…でもまぁ失敗してみれば――気楽なもんだなー』
※カナザワの中の人が渚カヲル、イシイの中の人が葛木ミサト。これは単なる偶然か。