『あとは新しい名前を打ち込みゃ立派な市民様の出来上がりだ』
『てめえの名前だ。好きにしろ』
『俺が?』
借金のカタに腑分けされちまった哀れな誰かさんのIDカードのデータ上書き。野良犬が持つ新しい名前。
『…ジョー』
名乗りこそドラマ。曼荼羅畑が繰り返し主張するテーゼ。分かっていたし望んでもいましたよ。でも、実際口にされると滾る、燃える。
奴の名前は…ジョー。
「メガロボクス/ROUND2・THE MAN ONLY DIES ONCE 二度死んだヤツはいない、バクチ打ちはそう嘯いた」(2018年4月12日深夜TBS放送/斉藤啓也演出)
ジャンクドックをボコるため、未認可地区の地下ボクシング会場に飛び入り参戦してきたチャンピオン勇利。
ジャンクドックVS勇利。突然のビッグマッチに沸き立つ会場。
「ハンデをやるよ。俺は右手は使わない。左手だけで十分だ」
力石の『1ラウンドじゃねえ、1分だ』に相当する台詞ですね。予告通り左手1本でジャンクドッグからダウンを奪いますが、立ち上がったドッグの猛攻に思わず右手が…。
最後は両手使った勇利の前にドッグ轟沈。1ラウンドKO(ここでセコンドの贋作が『もういい立つな、立つんじゃねえ!』って言っているのがいい)。
尚も喰い下がるドッグに勇利は、
「ここは俺のリングじゃない。本気で俺とやり合いたければ上がってこい。俺のリングにな」
本物のメガロボクスを味わってしまったドッグは勇利と再戦するためにメガロボクストーナメント「メガロニア」への参戦を贋作に直訴しますが、
『いいか 明日のためになんて俺達にはねえんだよ』
黙って仕事(八百長試合)をしろという贋作にキレたドッグは、その夜の試合でお約束(5ラウンドで倒れる)無視。ワンパンチKO。
借金背負って胴元(のバックにいる裏社会のボス)に逆らった贋作は料理の出汁にされかけますが、メガロニアの優勝賞金で借金清算というハッタリかます大勝負。
『あんた本気か? イカサマ風情に何ができる?』
『この南部贋作、ハッタリにかけちゃ命はってんだ。見せてやるよ!イカサマに何ができんのかをよ!』
メガロニアの出場資格である市民権はボスが手配。手にした名前はジョー。
いやあ今回は『立つんじゃねえ!』『明日のために、なんてねえ!』『ジョー』とグッとくる台詞が目白押しでした。
ただ、途中で流れた日本語のラップはどうにかしてほしかった…。